
プレコンセプションケア
プレコンセプションケア
プレコンセプションケア(Preconception Care)とは、「将来妊娠を希望するすべての人が、妊娠前から自分の身体と向き合い、整えるためのケア」のことを指します。つまり、妊活を始める前の“準備期間”に行う心と身体のメンテナンスです。
妊娠・出産は、女性だけでなくパートナー双方の健康状態が大きく関係します。また、妊娠前の体調や生活習慣が赤ちゃんの発育や将来の健康にまで影響を及ぼすことが、近年の研究でも明らかになってきました。
当院では、妊娠前からの健康管理を重要視し、妊娠しやすい体づくり・安全な妊娠・健やかな出産・健康な子どもの誕生を目指す「プレコンセプションケア」に力を入れています。
高血圧、糖尿病、甲状腺疾患などの慢性疾患や、性感染症、ホルモン異常などが明らかとなり、妊娠のしにくさや妊娠中の合併症の起こりやすさを把握することができます。
妊娠に必要な条件を満たしているかを確認し、不妊の原因となる要素(排卵障害、卵巣機能低下など)に対して早めに対策を講じることができます。
妊娠前から栄養状態を整えることで、胎児の発育異常や早産、低出生体重児のリスクを下げることが可能です。これは「DOHaD説(胎児期の環境が将来の健康に影響する)」という考え方に基づいています。
自身の卵巣予備能(卵巣内に残っている卵子数)がわかるので、いつ頃から妊活を開始したら良いか、ライフプランを立てることができます。将来の妊娠に備えることは、自身のライフプランや健康意識を見つめ直す良い機会になります。
当院では、以下のようなプレコンセプションケアを提供しています。お一人おひとりの健康状態・ライフスタイルに応じて個別対応いたします。
月経周期や既往歴、家族歴、妊娠歴、生活習慣などを詳しくお伺いします。不安や疑問にも丁寧にお答えします。
貧血、甲状腺機能、ホルモンバランス(LH、FSH、AMHなど)、感染症(風疹・麻疹・B型C型肝炎・梅毒・HIV)などをチェックします。
子宮筋腫、内膜症、卵巣のう腫、排卵状況などを確認し、妊娠の妨げになる病変がないかを調べます。
早期発見、早期治療が非常に重要な疾患であり、プレ妊娠期に必ず受けておくべき基本の検査です。
クラミジア、淋菌などの性感染症は不妊や流産の原因となることがあり、事前の検査・治療が重要です。
栄養、体重管理、睡眠、運動、ストレス、喫煙・飲酒習慣など、妊娠前の生活全般をサポートします。
風疹や麻疹、子宮頸がん(HPV)など、妊娠中の感染リスクを防ぐための予防接種についても確認・案内します。
プレコンセプションケアは女性だけのものではありません。男性側の健康状態も妊娠・胎児の発育に大きく関わります。
男性のプレコンセプションケアでは、以下の項目をチェックします。
最近の研究では、男性の加齢や生活習慣が精子の質や受精後の胚の発育に影響を与えることもわかっています。お二人で健康を見つめ直すことが、未来の妊娠成功への第一歩です。
プレコンセプションケアに「早すぎる」ということはありません。「いつかは子どもが欲しい」と思ったその時が、始めどきです。
特に20代後半〜30代の方は、妊娠適齢期の把握とともに、自分の体の状態を知っておくことが大切です。また、すでに妊娠を考えている方は、遅くとも妊娠を希望する3〜6か月前には受診するのが理想です。
検査内容によっては保険適用となる項目もありますが、基本的には自費診療となります。詳細は初診時にご説明いたします。
あります。症状がない場合でも、潜在的な疾患やリスクが見つかることは少なくありません。将来の妊娠・出産を安心して迎えるために、予防的な視点が重要です。
もちろん可能です。カップルでの健康管理は、妊娠の確率を高めるだけでなく、信頼関係を深める良い機会にもなります。
妊娠は“自然にまかせるもの”と考えられがちですが、現代の医療では妊娠を迎えるための準備=プレコンセプションケアという考え方が広まっています。
「いずれは赤ちゃんが欲しい」
「自分の体のことを知りたい」
「安心して妊活を始めたい」
そう感じた今が、受診のタイミングです。
別の理由で受診された方も、この検査のために受診したい方もどうぞお気軽にご相談ください。
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